キングオブコント2021 感想

キングオブコントがやっと改革に向ってくれたなぁという安堵と希望。

過去最高という評判だけど、ネタの質だけならむしろ過去の方が高かった気がする。評判が高くなった要因は、審査員の変更と反応の良い客とセンスの良い煽りVTR。逆に言えば、過去の大会でも審査員以外は実現可能だったんじゃないかと思う。

後は、やっぱり漫才以上にネタによって評価が変わるし、好みの幅もあるので最終は5組観たいな。そして審査員は同様の理由で最低でも7人いるべき。

なんて大会自体への要求が多くなってしまうが、全組ウケていたし、面白かったので良い大会だったのは確か。今回の審査員と観客を継続しつつ、来年に繋げてほしい。R-1が去年のグダグダを反省して、3大賞レースとしての格を確立してくれればお笑い界の未来は明るい。

 

蛙亭

山内も審査コメントで指摘していたが、中野が緑のゲロを吐いたのに客が引かなかったのを見て、今回の大会の成功を確信した。もはや中野が何をしても面白い領域に達してきているので、もっと滅茶苦茶な設定のネタにどんどん挑戦していってほしい。

シェアハウスメンバーが次々にファイナリストになっているので、後はママタルトのM-1決勝進出に期待したい。

 

ジェラードン

握手会のネタで初めてこのトリオを知ったのが多分5年ぐらい前になるので、ここに来てのキャラ押しコントはちょっと弱く見えてしまった。

キャラだけでなく展開や動きを加えたネタも多くあるので、もったいなく感じる。他コンビについても思ったが、準決勝のネタ固定制をどうにかしてほしい。特に今回については決勝進出決まってからの審査員変更発表なので、前審査員向けにネタを調整していた組は可哀相。

 

男性ブランコ

今回のネタの中でダントツの好みで、終わった後もことあるごとに観直してしまった。始まりのスポットライトの一人語りで客を世界に引き込み、強烈な個性の女性が出てきて突っ込むかと思いきやの「好きだなぁ」で裏切り、実は妄想だったと裏切り、妄想通りの女性が登場して「大好きだぁ!」で終わる裏切らない裏切り。とにかく演技と構成が見事で、観終わった後の満足度が高かった。

最終決戦のネタも、平井の変だけど実在しそうなキャラクターとボロボロ落ちるお菓子におかしみがあって、爆笑とはいかないが常にクスッとしてしまう良いネタだった。

売れっ子の多いファイナリストの中で、ほぼテレビでネタを観たことのない唯一のコンビだったので、今後ネタ番組などで様々なネタを披露してくれることに期待。

 

ニッポンの社長

ケツという類まれなボケ。ケツが酷い目に合えば合うほど面白い。後半の展開も面白く、オチのホームランは綺麗で感動さえもあった。ただ、中盤が少しダレた印象もある。発想一つで突き進むタイプで、ネタ時間が4分から5分になったことの影響を一番受けているコンビでもあると思うので、更に進化して5分の名作を作ることに期待。

 

うるとらブギーズ

知っているネタで、劇場で大爆笑をとっているのも知っていたので、あまりウケなかったのが残念。

迷子センターのアナウンスでついつい笑ってしまうという、次第に雰囲気自体が面白くなってくるタイプのネタなので、ネタ時間がもう少し長ければお客さんを引き込むことができたのかなとも思う。

 

⑥ そいつどいつ

KOC史上、最も舞台を三次元に高く使ったネタ。一つ一つのボケは面白かったが、飯塚や小峠の点数が伸びなかったのは、展開の進み方が雑なせいかもしれない。コロチキが優勝したレジェンド審査の時ならもっと評価されたと思う。

 

⑦ ニューヨーク

変なおじさんのキャラに対するキレツッコミで、ドタバタエンドというのがやや古臭く感じてしまった。忙しい中、M-1とKOCに4回連続進出するという前代未聞の経歴は凄いが、外国人の映像が出る所とか作りが雑だったかも。

嶋佐の演じるヤバいキャラクターは好きだからこそ、テープを貼ったことが逆効果な気がした。小さいモンブランにカメラがズームするところは腹抱えて笑った。

 

⑧ ザ・マミィ

バラエティでのキャラは好きなので売れてくれることは嬉しいが、今回の2ネタはどちらもあまりハマらなかった。どこか既視感があったのかも。巨匠が解散せずにKOCで評価されていたifルートという感じはしたので、吉住とともに今後の人力舎を背負って行ってほしい。

 

空気階段

過去2年間の空気階段にはあまりハマらなかったが、ここ最近の勢いと審査員変更で優勝するだろうなと思っていたら、予想以上のクオリティのネタを2本用意して優勝して圧巻だった。

もぐらのキャラが強烈でパンストにブリーフ姿、セグウェイ上でグローブなどビジュアルだけで笑えるところに、「SMクラブに来た消防士」、「架空のキャラのコンセプトカフェ」といった強い設定バラシを乗せ、動きの多い展開、照明・音響を巧みに使った演出、クスっと笑える小ボケとかなり高度な構成のネタで、納得の優勝。

ラジオで濃いファンを獲得し、単独ライブも評価され、有吉の壁などのテレビにも出つつ、3度目の挑戦で優勝と理想的な売れ方をしているので、今後バナナマンのような地位を確立していくんじゃないかと思う。

 

マヂカルラブリー

M-1は認知度が上がっていたことがプラスに働いたが、今回はマイナスに働いたかもしれない。途中の起き上がるところの動きの巧みさ、展開の馬鹿らしさなどとても面白かったが、松本の指摘した吊り革との類似性などもあり、上がりきったハードルを越えられなかったようで残念。

傘泥棒みたいな設定と構成で見せるコントや、シャドウみたいなツッコミ不在で笑わせるコントも出来るので、今後も挑戦しつづけてほしい。

 

大会自体の格と注目度を上げることができたと思うので、来年以降も新審査員を継続してほしい。レジェンド審査時代に出ていたななまがり、かが屋などの再挑戦、金の国などの新世代の台頭と楽しみは尽きない。