読書録(2021年5月)

ゴールデンウィークがあり仕事も円滑に進んでいたため、本も映画も大量摂取できた。さらに、仕事内容と読書がリンクして知識が深まっていく感覚もあったので有意義な一か月であった。

 

-歴史-

仕事で日本古代史を扱うため、『はじめての日本古代史』、『律令国家と隋唐文明』、『海の向こうから見た倭国』、『渡来系移住民』などを読む。どれも海外との関係性に重点が置かれていたため、広い視点を獲得することができた。

また、今後中世史を扱うにあたって『暴力と武力の日本中世史』、『唐物の文化史』を読む。さらに、ユーラシア大陸全体を捉えるために『シルクロード世界史』、『モンゴルVS西欧VSイスラム』を読んだ。遊牧民や商人について知ることで、だいぶ世界史を立体的に認識できるようになってきた。

歴史教育については『歴史教育「再」入門』で他教科との関係、アクティブラーニング、ICTなどの多数の実践例を知ることができたので、少しずつ活用していきたい。

また、日本史を学ぶ基礎でありながらよくわかっていなかった「なまえ」について『氏名の誕生』で整理をすることができた。

 

-哲学- 

先月リレーエッセイを読んで気になった人類学者による『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民』で森の民プナンの生活に刺激を受け、そこで出てきたニーチェの哲学を知るために今月の古典は『道徳の系譜学』を読んだ。正直、ワードを追うだけで終わってしまい、理解が追い付かなかった。見田宗介の『超高層のバベル』も様々な知識人との対談で構成されており、なるほどと思う部分もありながら難しかった。哲学について考える頭が欲しい。

そういった頭を鍛えるために『東大現代文で思考力を鍛える』、『「わかる」とはどういうことか』、『「読む」ってどんなこと?』、『小説の読み方』など今まであまり読んでこなかった、そもそもの思考の基礎体力をつけるための本を多く読んだ。 さらに、初学者向けの哲学本である『中学生からの哲学「超」入門』も読む。やはり自分が個別具体的な議論に比べて、抽象的な概念の理解が苦手であることを認識したので、論理学、文章力などに関する本も読んでいきたい。

 

-その他-

なんといっても『ポストコロナのSF』が面白かった。最近SFを読む機会がめっきり減っていたが、SF小説の想像力は現代社会について考えるのに最適であると実感した。コロナ禍における社会の状況は極めてSF的であり、この作品群から未来の選択肢を得ることが出来るかもしれない。コロナ関係では世界の思想家たちが今回のパンデミックに明らかになった諸問題について述べる『新しい世界』や、未来の人類研究センターの面々が他者との関係について述べる『「利他」とは何か』、コロナ以後の東アジア太平洋地域の動向を扱う『米中新冷戦とアフターコロナ』なども読んだ。

また、現代社会については『日本の中国人社会』、 『ルポ教育困難校』、『文部科学省』と教育に重点を置いた本も読んだが、現状を知るほど辛い気持ちになってしまう。

 

★映画

蒲田行進曲』、『日本の夜と霧』、『上海バンスキング』、『大学は出たけれど』、『ファンタスティックビースト』、『湯を沸かすほどの熱い愛』、『ブレードランナー2049』、『pk』、『82年生まれキム・ジヨン』、『テルアビブオンファイア』、『ルパンVS複製人間』、『プーと大人になった僕』、『TENET』、『三島由紀夫VS東大全共闘』(U-nextで)

 『今夜、ロマンス劇場で』、『バッドジーニアス』、『いつだってやめられる1~3』(amazon primeで)

今までアメリカ映画偏重だったが、邦画や他の外国映画も多数観た。特に蒲田行進曲が刺さった。どのシーンも派手で印象に残るし、キャラクターの造詣も素晴らしい。pk、キムジヨン、三島由紀夫など現代社会について考えるキッカケになった映画も多く観た。

 

★テレビ・ラジオ

『100分de名著』【オイディプス王、ペスト、風姿花伝老子、人生論ノート、実存主義とは何か、野生の思考、ツァラトゥストラ、獄中からの手紙、平家物語】、『英雄たちの選択』【古代人のこころを発掘せよ】、『歴史秘話ヒストリア』【日本書紀】、『プロフェッショナル』【笑いの鬼】、『生命大躍進』第1~3集、『盗まれた長安』(NHKオンデマンドで)

やはり100分de名著は面白い。伊集院光の相槌、たとえ話、質問、すべてが当意即妙すぎて憧れる。実存主義構造主義の代表的作品について学び、現代哲学についてほんの少しだけ理解が深まった。サルトルの人間観は共感できる部分も多く、もう少し学んでいきたいと思った。

 

水曜日のダウンタウン』、『ゴッドタン』、『有吉の壁』、『テレビ千鳥』、『マヂカルクリエイターズ』、『相席食堂』、『千原ジュニアの座王』、『これ余談なんですけど・・・』、『あちこちオードリー』、『爆笑ターンテーブル』、『お笑い実力刃』、『ソウドリ』、『ENGEIグランドスラム(マチネ・本編)』、『千鳥のクセがすごいネタグランプリ』、『そのネタ、ネタにしていいですか?』、『笑野行動』、『漫才JAPAN』(地上波・Tverで)

『チャンスの時間』、『しくじり学園お笑い研究部』(Abemaで)

マヂカルラブリーのANN0』(radikoで)

ネタ番組が増えすぎて追いきれない。ランジャタイ、5GAP、もう中学生がテレビに出まくるという百鬼夜行的状況になっている。